今から、アセンブリ言語を使わない限り、あなたはこれ以上この命令セットを見ることができません。
1998年、AMDは独自の命令セット3DNow!（「3D No Waiting」の略）をリリースしました。この命令セットは単精度浮動小数点ベクトル演算をサポートする21の命令から構成され、3D性能を大幅に向上させました。
K6-2は、浮動小数点SIMD命令を実行できる最初のx86プロセッサであり、AMDがゲーム性能で初めてインテルを超えることを可能にした3DNow!をサポートする最初のプロセッサでもあります。
1999年、インテルは3DNow!と競合するSSE命令セットを発表しました。これにより、倍精度浮動小数点演算の性能が向上し、x87命令への依存も解消されました。
その後、3DNow!の重要性は次第に薄れていきました。AMDの新しいAthlonプロセッサもSSEを採用し、その後はSSE2やSSE3といった新しい命令セットが主流となりました。
2010年、AMDは3DNow!の生産終了を発表し、PREFETCHとPREFETCHWという2つのプリフェッチ命令だけが残されることになりました。
2021年、Linuxシステムカーネルは3DNow!のサポートを停止しました。
