6月3日、AMDはCOMPUTEX 2024において、新しいモバイル・プロセッサー「Ryzen AI 300シリーズ」を発表しました。この新シリーズは、アップグレードされたZen 5アーキテクチャを搭載するだけでなく、新しいXDNA 2ベースのNPUを統合し、最大2倍のAI性能を実現します。さらに、GPUはアップグレードされたRDNA 3.5アーキテクチャで強化されており、優れたグラフィックス性能を提供します。

第1弾は2モデルで、フラッグシップは「Ryzen AI 9 HX 370」です。このモデルは12コア24スレッド、最大ブーストクロック5.1GHz、24MBのL3キャッシュ、50TOPSのNPUパワーを誇ります。

新しいRadeon 890M統合GPUは、CUユニットが12から16に増加し、1024のストリームプロセッサと最大周波数2900MHzを搭載しています。この強化は、多くの技術関係者を興奮させています。

最近、中国メーカーGPDは、最新のAMD Ryzen AI 9 HX 370プロセッサーを搭載したデュアルスクリーンノートパソコン「GPD DUO」を公式サイトに掲載しました。この掲載では、CPU性能とRadeon 890M統合グラフィックスのスコアが初めて明らかにされました。

GPDが公開したデータによると、Ryzen AI 9 HX 370はCinebench 2024でシングルコアスコアが124を達成し、これはデスクトップクラスのRyzen 9 7950Xに非常に近い成績です。マルチコアのスコアは1525で、デスクトップのRyzen 9 5950Xを上回りました。5950XはZen 3アーキテクチャに基づく古いプロセッサーですが、それでも16コア32スレッドを備えており、現在も注目に値する性能を持っています。

特に注目すべきは、前世代の8コア16スレッドのRyzen 7 8845HS（55W）プロセッサーのCinebench 2024シングルコアスコアが約106点、マルチコアスコアが975点だったことです。これに対し、Ryzen AI 9 HX 370はシングルコアで約17％、マルチコアで56％の性能向上を実現しています。これは大幅な性能向上を意味します。

Radeon 890M統合GPUは、LPDDR5x 7500MT/sオンボードメモリを搭載し、3D Mark Time Spyスコアで4221を達成しました。この性能は、フルパワーのRTX 2050を上回り、RTX 3050 Mobileに非常に近いです。GPD WIN Max 2の72WバージョンのRadeon 780Mと比較すると、Radeon 890Mは30％以上性能を上回っています。

54WバージョンのRadeon 780Mと比較すると、Radeon 890Mは50％以上の性能向上を示しており、大幅なアップグレードであることがわかります。もちろん、これらは理論上の改善であり、実際のゲーム性能は特定のタイトルでテストする必要があります。過去のテストに基づくと、古いAAAゲームは中程度の設定で動作すると予想され、これは有望です。

統合GPUの性能はメモリ周波数に大きく影響されることにも注意が必要です。最適な性能を達成するために、多くのメーカーは、将来のアップグレードが不可能になる可能性があるものの、薄型軽量ノートブックにより高い周波数のLPDDR5xオンボードメモリを検討しているようです。

これまでに発表されたテスト結果によると、新しいRyzen AI 9 HX 370は、Ryzen 7000シリーズと比較して、CPUとGPUの両方で大幅な性能向上を示しており、一部の分野では50％以上の性能向上が見られました。AMDへの期待が高まります！

次世代AI PCに加えて、このプロセッサーはハンドヘルド市場にも大きな影響を与える可能性があり、最近のAAAタイトルをポータブルデバイスでスムーズに動作させることができます。さらに、50TOPSという高い演算能力を持つ新しいXDNA 2アーキテクチャのNPUは、AIの分野で特筆すべき進歩をもたらすと期待されています。