インテルは最近、第13世代および第14世代Coreプロセッサーのゲーム中に発生する安定性の問題に対処することを目的とした新しいBIOSアップデートをリリースしました。主要なマザーボードメーカーは、「Intel Default Settings」プロファイルを導入し、このプロファイルはコア電圧を低減し、プロセッサーのブーストマージンを制限することで、不安定性のリスクを抑えるように設計されています。しかし、これらの対策にもかかわらず、このアップデートは問題を完全に解決するものではなく、パフォーマンスの低下を招く可能性があります。

リークされた内部文書を引用したIgor’s LABのレポートは、これらの安定性問題の根本原因を明らかにしています。高温時のEnhanced Turbo Velocity Boost（eTVB）機能のマイクロコードアルゴリズムに不正確な値が含まれているため、周波数と電圧が上昇し、プロセッサーの信頼性が損なわれることが判明しました。影響を受けるプラットフォームには、Raptor Lake-SおよびRaptor Lake Refresh-Sプロセッサーが含まれます。

Raptor Lake-Sプロセッサー向けに設計されたeTVBテクノロジーは、熱容量と消費電力に応じて、プロセッサーコアをRWIの最大周波数を超えて自動的にオーバークロックすることで、CPU性能を最適化することを目的としています。基本的に、プロセッサーが十分に冷却され、十分な電力が供給されていれば、eTVBはクロック周波数をブーストし、短期間での高負荷タスクのパフォーマンスを向上させることができます。この機能は、高いバースト速度を必要とするゲームやアプリケーションに特に有効です。

この問題の主な原因はCore i9プロセッサーにあるとされています。故障解析の結果、影響を受けるプロセッサーの最低動作電圧がコア電圧の累積的な上昇によって変わったことが明らかになりました。インテルの調査により、入力電圧の上昇はプロセッサーが高温下でもオーバークロックされた周波数と電圧で動作できる以前のBIOS設定に起因していることが判明しました。旧世代のインテルKシリーズ・プロセッサーはデフォルトの動作電圧と周波数が低かったため、このような設定の影響を受けにくかったのです。

この問題に対処するため、インテルはすべての顧客に対し、2024年7月19日までにBIOSをマイクロコード・バージョン0x125以降に更新するように推奨しています。更新されたマイクロコードにはeTVBの修正が含まれており、温度がeTVBのしきい値を超えた場合により高性能な状態になるのを防ぎ、プロセッサーの安定性を向上させることを目的としています。

このBIOSアップデートの目的は、高温環境におけるCoreプロセッサーの安定性を高めることにあります。インテルは、これらの対策により、ゲームやその他の高負荷アプリケーションでより安定し、信頼性の高いユーザー体験を提供できると確信しています。