チップ設計の複雑化と先端プロセスのコスト上昇に伴い、多くのチップメーカーは、シングルチップ設計の限界を克服するためにマルチチップ設計に目を向けています。AMDはこの分野で先駆的な企業のひとつであり、すでにCPUとGPUにマルチチップ設計を採用し、このアプローチを進むべき道として公然と支持しています。

TomsHardwareによると、2022年12月8日に新たに発見されたAMDの特許は、AMDがより幅広いアプリケーションシナリオに対応する小型チップの開発に取り組む一方で、より複雑なマルチチップモジュラーGPUの開発にも注力していることを明らかにしています。

現在のRDNA 3アーキテクチャでは、AMDはグラフィックス演算ユニット（GCD）を通じてGPUの主要機能を実装し、複数のマルチチップモジュール（MCD）を使用してビデオメモリーインターフェースとキャッシュを処理しています。これとは対照的に、新しい特許では、GPUを複数の小型チップに分割する設計を導入しており、単一のGPUとして、または、連動して動作する複数のGPUとして機能するように構成することができます。

特許文書によると、これらのGPUミニチップは3つのモードで動作できます：

シングルGPUモード：すべてのGPUチップが単一の統合GPUとして動作し、リソースを共有し、タスクを共同処理します。単一のフロントエンドチップがGPU内のすべてのシェーダーエンジンチップの命令のスケジューリングを管理するのが一般的で、従来のGPUと同様に動作します。

マルチGPUモード：GPUチップは異なるグループに分割され、それぞれが独立したGPUとして機能します。各グループには、それぞれのシェーダーエンジンチップのタスクスケジューリングを担当する独自のフロントエンドチップがあります。

混合構成モード：この柔軟な構成により、一部のGPUチップは単一のGPUとして動作し、他のチップは独立したGPUとして動作します。

特許の説明によれば、この技術は、データセンターGPUで使用されているCDNAファミリーのアーキテクチャに類似しています。しかし、AMDの歴史を考えると、この技術が最終的にコンシューマー向け製品に拡大する可能性は十分にあります。

AMDの新しい特許は、マルチチップ設計における深い専門知識と革新性を浮き彫りにしており、将来のAMD GPU製品が多様なアプリケーション・ニーズに対応するため、より高い柔軟性と適応性を提供することを示しています。